ー安心して滑れる滑り台の勾配とは?|遊具の安全基準を解説ー
2024-05-17
小さな幼児から遊べ、幅広い年代の子どもが楽しめる滑り台。言わずと知れた人気の遊具ですが、なかにはおとなでも滑るのをためらうほど、勾配が急なものもあります。
安全に遊べる滑り台とは、どのようなものなのでしょうか?
結論を先にお伝えすると、幼児が恐怖心を持たずに遊べる滑り台の傾斜角度は30°前後といわれています。
また遊具の安全に関する基準として、遊具メーカーなどで構成する日本公園施設業協会では、安全領域などを細かく設定しています。
今回は、安心して遊べる滑り台の勾配や、遊具の安全基準についてご説明しましょう。
滑り台を安心して滑れる勾配の角度とは?
まずは、小さな子どもでも安心して滑れるようにするための、滑り台の勾配についてご説明します。
恐怖心を感じずに滑れる傾斜角度は30°
個人差はあるものの、低年齢児でも怖がることなくチャレンジしやすい滑り台の傾斜角度は30°ほどと言われています。
しかし、傾斜角度を抑えすぎると、今度は逆にうまく滑れません。
斜面の途中で止まってしまうと、あとから滑ってきた子と衝突するリスクが考えられます。
一方、遊具ではありませんが、火事などの避難で老若男女の仕様が想定される避難用滑り台の基準は「25°以上35°以下」とされています。
また学校などの遊具は、文部科学省の規定で「水平に対して45°以下とし、滑走部全体を平均しても35°以下とする」と定められています。
よってこの範囲であれば、子どもたちも安心して、かつ斜面で滞ることなく滑りやすくなるでしょう。
独自の基準を定めている自治体・団体も
中には自治体などの管理団体で、独自に遊具の設置基準を設けている場合があります。
たとえば神戸市などは公園施設設計設置基準において「滑降部全体を平均しても 35°以下とする。」としています。
ほかにも、管理施設や団体によって独自の基準を設けている場合があるため、遊具の選定に際しては注意が必要です。
勾配以外の基準も
勾配のほかにも、安全に遊具を利用するためには、注意すべき設計基準が多くあります。
降り口の高さ
滑り台の降り口は、安全に着地できる高さとして地面との距離が次のように設定されています。
・児童用:15cm〜38cm
・幼児用:10cm~30cm
この高さを外れると、着地時に勢いあまって飛び出したり、うまく止まれず転倒してしまうリスクがあり注意が必要です。
しかし設置時は降り口の高さを保てていても、遊具を使用するうちに地面が掘れて、意図せず高さが変わってしまうこともあります。
基準ではありませんが、土削れによる転倒や水たまりの発生を予防するために、降り口へゴムマットを設置すると衝撃を和らげてより安全に遊べるのでおすすめです。
階段のステップ幅
滑り台の上に登る階段にも、事故を防ぐための決まりがあります。
階段のステップ(踏み板)は、足がしっかり掛けられるよう、奥行きが17cm以上必要です。
17cm未満になると、踏み外す可能性が高くなり、転落などにつながるリスクがあります。
また鉄製の遊具は雨などで滑りやすくなるため、ステップに滑り止めが施してあると安心です。
それに加えて遊具の下をラバーフローリングにしておけば、万が一転落しても衝撃を和らげてくれるため、さらにケガのリスクを抑えられるでしょう。
遊具の安全領域
遊具メーカーなどで構成する日本公園施設業協会では「遊具の安全に関する基準」を設けており、その中の一つに「安全領域」があります。
安全領域は、もし遊具から飛び出したり落ちたりしても、重大な事故になりにくくするために設けられました。
具体的には「遊具の周囲1.5m~1.8m以内に照明などの障害物を設置してはならない」といった旨が記載されており、多くの遊具はこれに沿って配置されています。
この他にも同協会ではさまざまな基準を設けており、子どもたちが安全に遊べるよう、それらの基準に従った遊具の設置が推奨されています。
あえてスリルを楽しむ滑り台
一方、滑り台のなかにはあえてスリルを味わったり、チャレンジ精神を養えたりする仕様のものもあります。
急な角度のフリーフォール
近年増えてきているフリーフォールは、傾斜角度60°~80°程度と、わざと急な勾配設計になっています。
落下するようなスリルを味わえるのが特徴で、高学年の子どもにも人気の滑り台です。
滑りはじめは急な角度ですが、降り口までにはなだらかになるため、安全に降りることができます。
基本的には中高学年向けであり、乳幼児向けとはエリアを分けるなどの対処をすると安心でしょう。
体重によってスピードの出るローラースライダー
座面がローラーになっているローラースライダーは、勾配がゆるやかでも長い距離を滑れるため大型の公園でよく見られます。
体重によって速度が変わるという特徴があり、体重が軽い小さな子どもの場合は、ゆっくり滑ることができるため安全に楽しめます。
それに対し体重の重い高学年やおとなであれば、スピードと風をダイレクトに肌で感じられ、幅広い層がそれぞれに楽しめるのも人気のポイントです。
まとめ
安心感のある滑り台の勾配や、遊具の安全基準についてご説明しました。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 幼児が怖がらずに遊べる滑り台の傾斜角度は30°前後。
- 遊具には、安全領域や開口部など安全に関する基準が細かく設定されている。
- フリーフォールなど、あえてスリルを楽しむ遊具もある。
公園や保育所にあるさまざまな遊具は、子どもたちの安全を守るために、厳しい安全基準に基づいて設計・設置されています。
しかし基準は適宜更新されているため、なかには古い基準のまま使用されている遊具があるかもしれません。
遊具の安全に関して、心配なことや不安な点があれば、専門業者に相談してみてください。
子どもたちが安心して遊ぶために、必要に応じて遊具の点検や修繕をしていきましょう。
株式会社ユーワークスでは、公園遊具の新設はもちろん、点検・撤去・交換メンテナンスなどを一貫して承っております。
遊具の施工・メンテナンスに携わるプロフェッショナルとして、子どもたちが安心して遊べる環境づくりのお手伝いをさせていただきます。
遊具についてご不明・ご不安なことがありましたら、当社までぜひお気軽にお問い合わせください。
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