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ー子どもが安心して遊ぶための遊具の安全基準について解説ー

2024-01-09

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公園に行くと必ず目にする遊具には、子どもが安全に遊ぶための必要な安全基準があるのをご存じですか?
子どもが遊具で遊ぶとき、怪我や事故はなるべく避けたいですよね。
安全に遊べる遊具とわかっていれば、怪我や事故の危険性も少なく、安心して遊具を使うことが可能です。
そこで今回は、子どもが安心して遊ぶための遊具の安全基準について解説していきます。

遊具の安全基準とは?

遊具の安全基準とは、一般社団法人である日本公園施設業協会(JPFA)が定めている「遊具の安全に関する規準 JPFA-SP-S:2014」のことです。
この「遊具の安全に関する規準 JPFA-SP-S:2014」は、国土交通省が発表している「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」の内容に沿って作成されました。

子どもの自由な遊び場を尊重しつつも、重大な事故を防ぐために公園や遊具に設けられた規準です。
この遊具の安全基準を守ることで、大人も子どもも安心できる施設や公園を作ることができます。

遊具の安全基準の一例

遊具の安全基準には、さまざまな規準があります。
子どもが公園や施設の遊具で安全に遊ぶために、どのような規準が設けられているのでしょうか。
日本公園施設業協会が定めた「遊具の安全に関する規準 JPFA-SP-S:2014」に記載されている一例を見てみましょう。

安全領域

遊具の設置には、安全領域という子どもが安全に遊ぶためのスペースが必要とされています。
子どもが落下したり、飛び出したりしたときに到達すると想定される範囲です。
重大な事故につながりかねない植木や照明灯などの障害物や、石やガラスなどの異物、固い設置面や凹凸のある設置面があってはいけません。
安全領域を確保するためには、あらゆる方向に危険がないかを確かめる必要があります。

〈おもな規準〉
落下の高さ600mm以下の場合:遊具の外形から全方向に1,500mm (最小値)
落下の高さ600mmを超える場合:遊具の外形から全方向に1,800mm(最小値)

安全領域の重複条件

公園や施設内に複数の遊具を設置する際に、安全領域の確保が難しい場合もあります。
そのような場合は、安全領域の重複が認められています。
実際に利用する動線を考慮し、安全な遊具の配置を考えるのです。

開口寸法

海外のニュースなどで、頭が抜けなくなってしまった子どもの救出劇などを見たことはありませんか?
実は子どもの頭部というのは体よりも大きく、隙間などに体が入っても頭が抜け出せないという、非常に危険な事態に陥ることがあります。
そのため、子どもが遊ぶ遊具では開口部の大きさに規準が設けられているのです。

①胴体が入らないような構造にする。
幼児の胴体サイズを再現した100×157mmのJPFA検査器具Bが入ってはなりません。
柵などの隙間は100mm未満とされています。
また、ネットの網目などは、幼児の胴体サイズを再現した直径127mmの器具(JPFA点検器具A)が入らないように設計しなければなりません。

②頭部も胴体も通り抜けられる構造にする。
児童の頭部サイズを再現した直径230mmの器具(JPFA点検器具A)が通り抜けられる設計をしなければなりません。

③指の挟み込みを防止する。
直径8mm以上25mm未満の隙間や穴は、指を入れたときに抜けなくなるため、設けてはなりません。

落下時の衝撃吸収

子どもの落下による事故を未然に防ぐ目的で、衝撃を吸収する素材を遊具の周りに敷くことが望ましいとされています。
そのためには、遊具の高さに合った衝撃吸収性能を選ぶ必要があり、芝生や土といった自然素材のものと、セーフティーマットなどの各種合成材料のものがあります。
これらの素材を、衛生面や維持管理のしやすさ、耐久性などを考慮して選ばなければなりません。
また、常に安全な遊び場を維持するためには、適切なメンテナンスによって機能の劣化を防ぐことが求められています。

点検による遊具の安全基準の維持管理

公園や施設の遊具には、安全基準を満たしていない遊具が存在します。
そのような遊具を早期に発見し、重大な事故につながる危険を取り除くためには、的確な点検が必要です。
また、遊具は経年や雨風により劣化し、怪我や事故につながる危険も高まっていきます。
常に安全な遊具を維持するには、日常的な点検が必要不可欠です。

点検にあたっては、遊具の利用者が幼児や児童であることから、日本公園施設業協会(JPFA)が定めている次の“基本的な点検の視点”に配慮して行わなければなりません。

“基本的な点検の視点”
「安全性の確保」
「性能の保持」
「美観に配慮した形姿の維持」

また、遊具の点検には、専門知識を持つプロに頼むと良いでしょう。
適切な点検を行うことで、遊具の劣化や事故につながる危険を早期に発見でき、常に子ども達に安全で自由な遊び場を維持管理できるようになります。

遊具の安全基準を保つための点検の種類

遊具の安全基準を保ちながら、子どもの安全を守るために必要な遊具の点検には、「日常点検」「定期点検」「精密点検」などがあります。
どのような点検なのか、一つずつ見ていきましょう。

日常点検

指定の管理者が、実際に遊具を見たり触れたりして行う点検です。日常的な業務として公園内の遊具が安全基準を満たしているかどうかや、遊具に劣化や異常がないかを調べます。

定期点検

指定の管理者や専門の業者が、一定期間ごと(最低でも1年に一回)に行う点検業務です。
遊具に異常や問題点がないか、次の定期点検までに子どもたちが安全に遊び続けられるかどうかを確認します。
専門の知識を持つプロによる点検であれば、経験に基づく危険を早期に発見したり、見ただけでは気づかない劣化に気づいたりと、豊富な知識を活かした検査が可能です。

精密点検

日常点検や定期点検で発見した遊具の異常や問題点を深く調べるための点検です。専門の業者が測定器具などを使用して、精密な点検を行います。

まとめ

子どもが安心して遊べる公園や施設は、大人も安心して見守ることができる遊び場です。
今回ご紹介した遊具の安全基準の一例も含め、子どもも大人も安心できる遊び場を作るためには、専門的な知識と技術が必要になります。
少しでも重大な事故や怪我を防ぐために、安全基準を満たした遊具の設計や点検は必須といえるでしょう。

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