ー公園の遊具を点検する「点検技術者資格」とは?点検の目的や種類もー
2024-02-16
近年、遊具の老朽化による転倒事故や破損事故がニュースになっています。これらの事故の原因の一つに、専門技術者による定期的な点検作業の不足が挙げられます。遊具の劣化は少し見ただけではわからないことも多いため、定期的なメンテナンスは欠かせません。
子ども達が安全で楽しく遊べる公園にするためには、資格を持った専門業者が正しい知識と技術でしっかりと定期的な点検を行うことが重要です。
そこで今回は、遊具の点検をする資格とはどのようなものがあるのか・点検の目的や業務内容なども一緒に詳しく解説していきます。
遊具点検の目的
遊具の点検は、劣化・損傷・危険箇所を早期に発見し、安全で快適に利用できるよう適切に維持し管理することが目的です。
点検には、主に4つの配慮する項目があります。
・安全性の確保
・機能の保持
・衛生状態や快適性の確保
・美観に配慮した形姿の維持
遊具は上記の内容に配慮して、点検を行うことが重要です。遊具点検を行うことで、遊具による事故から子ども達を守り、安全に遊べる空間へつなります。
遊具点検の種類
遊具の点検には、状況やタイミングによって種類があります。それでは種類別に解説していきます。
初期点検
初期点検とは、製造・施工者が行う点検です。
施設管理者の立ち会いのもとで遊具を公園や幼稚園などの施設へ設置したあと、初期の動作性能を確認します。
日常点検
日常点検とは、施設管理者が日常業務として行う点検です。
前回の日常点検結果と比べて遊具に問題はないか・事故につながる異常・破損・変状していないかを目視や触って調べていきます。また、遊具から異音がしていないかを確認するために、触った際に音も確認します。
日常点検をすることによって、施設の安全性が確保されているかを確認できる重要な点検です。
定期点検
定期点検とは、必要な専門的な知識・技術がある資格を保持した点検技術者が、一定期間に行う点検です。基本的に1年に1回以上行います。
定期点検には、2種類あります。
一つは、規準診断です。国土交通省の定めている指針である「遊具の安全に関する規準」に基づいて、遊具の安全を守るために専門の技術者が施設の現状を目視や触って確認します。さらに、点検器具や測定器具を使用して聴音・打音・振動で確かめていく内容です。また、遊具の配置が適切な空間で安全に設置されているのかも確認していきます。
もう一つは、遊具が劣化していないか確認する劣化診断です。劣化診断は、遊具が腐食・破損していないか、ブランコのようにチェーンがついている遊具は摩耗していないかを確認します。
精密点検
精密点検とは、遊具の専門技術者が分解作業をしたり測定機器を使用したりして詳細に行う点検です。専門技術者とは、公園施設の材料・構造・精密点検に関する専門的な知見・技能がある資格を保持している者です。
日常点検や定期点検で、遊具の問題が見つかったり問題が起きたりする可能性がある場合に、さらに詳しく調べるときに行います。
遊具の点検「点検技術者資格」認定制度
2015年度より「一般社団法人日本公園施設業協会」では、遊具を安全に維持管理していくために、点検技術者資格の認定と登録を行なっています。これは遊具の点検や診断を適正に行える技術者を安定的に確保することが目的です。
点検技術者資格とは、必要な実務経験と講習を受け、資格認定試験に合格した者のみが保持できる国土交通省に登録された唯一の資格になります。
点検技術者資格には2種類あります。
・公園施設点検管理士
・公園施設点検技士
2つの資格について、それぞれ解説していきます。
公園施設点検管理士
公園施設点検管理士とは高等学校を卒業後、公園施設に関する業務に11年以上従事し、そのうち3年以上の管理業務の経験が必要です。講習会を受講後、認定試験に合格した者が認定されます。
公園施設の定期点検業務においての管理技術者として、国や日本公園施設業協会が定めた規準・マニュアルに基づき、適正に業務を遂行及び管理・統括できる能力を有する者として協会が認定するものです。
この資格を保持することによって、公園の適正な管理や統括ができる資格です。
公園施設点検技士
公園施設点検技士とは、公園施設について5年以上の実務経験があり、講習を終了し認定試験に合格したものが認定されます。
公園施設の定期点検業務において、「公園施設点検管理士」の管理の下、担当技術者として、国や協会が定めた規準・マニュアル等に基づいて、適正に業務を遂行できる能力を有する者として協会が認定するものです。
この資格を保持することによって、公園の適正な管理や統括ができるほか、設計・製造・施工から点検・修繕、更新まで、安全を総合的に維持できる資格です。
遊具点検の業務内容
遊具の点検が点検技術者資格の保有者によって行われると、点検の内容や結果の報告書が提出されます。報告書は国土交通省が定めた安全基準の「遊具の安全確保に関する指針」に合わせて作成していくのです。
遊具の現状を一つずつわかりやすく記録し、修繕や精密点検が必要であるかを確認するため、写真を撮る場合もあります。
遊具に、危険な状態や危険を疑われるものがなかったか・劣化していないか・塗装の状態に問題はないかなどを判断したうえで、総合的に評価を行なっていきます。
遊具の修繕
遊具の点検が行われたときに修繕が必要になれば、報告書に記載し、公園の管理責任者に報告します。管理責任者は、必要な修繕を報告書の内容と遊具の状態を把握したうえで、専門業者に依頼します。
遊具が劣化していたり破損していたりする場合は、修繕が完了するまで遊具の使用を中止する判断をしなければなりません。
遊具の使用を再開するには、公園の管理責任者が修繕の完了をきちんと確認することが重要です。
まとめ
今回は遊具の点検と資格について詳しく解説しました。公園の遊具は、子ども達が安全に遊べ、みんなが公園を快適に過ごせるよう定期的に点検を行わなければなりません。
安全で楽しい遊び場を作るためには、遊具を設置すること以上に適正なメンテナンスが重要です。メンテナンスを怠ってしまうと、不良な事故につながる可能性があります。
点検には、日本公園施設業協会が認定している「点検技術者資格」を持った専門業者に依頼しましょう。
当社は遊び場の安全を守るため、遊具の新設・点検・修理・撤去など幅広く承っております。また「自分の子どもを遊ばせられるか」を基準にメンテナンスを徹底的に行い、子ども達の安全を第一に、状況に応じた施工プランを提案いたします。
診断と見積もりは無料なため、ぜひお気軽にご相談ください。
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