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ー義務化された遊具の点検|点検の方法や注意すべきポイントを解説ー

2024-03-22

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国交省により、2018年に義務化された施設遊具の点検。
少なくとも年1回以上の定期点検が必要になり、施設管理者による日常点検にくわえて、専門の知識や資格を持った人員による点検が望ましいとされています。

また学校へ設置されている遊具の点検についても、学校保健安全法のなかで義務化されており、学期ごとの点検が必須事項となりました。

しかし管理をされている方のなかには「どうやって点検すべきかわからない」「日々の点検と同じではいけないの?」といった疑問を持たれている方もいらっしゃるでしょう。

このコラムでは義務化された遊具点検について

  • 義務化された遊具点検の種類や実施ペース
  • 遊具を点検する方法
  • 点検するうえでの注意すべきポイント

をご紹介します。

義務化された遊具点検の種類や実施ペース

遊具の点検が義務化された背景には、遊んでいる子どもたちのケガや死亡など、痛ましい事故が続いたことがあります。

点検が義務化されてからもこれらの事故はあとを絶たず、さらなる精密な点検と対応が求められています。

なかでも主に求められている遊具点検は次の3種類です。

  • 日常点検
  • 定期点検
  • 精密点検

各点検について、それぞれ詳しくご説明します。

日常点検

実施ペース:月1回以上

公園などの施設管理者による日常的な点検です。遊具のサビやゆがみ・ぐらつきなど異常がないかを目視や触診、聴診などで点検します。
異常があったときは対象遊具の使用を止め、必要に応じて遊具の専門技術者による点検・対処を行います。

定期点検

実施ペース:年1回以上

国交省によって義務化された安全点検で、日常点検よりも入念な点検を、必要に応じて専門業者=遊具点検のプロフェッショナルと協力しながら行います。
遊具の地中に埋まっている部分、回転ジャングルジムの軸など、見た目だけでは確認しきれない重要な部材をテストハンマーなどの道具を使って点検します。
次の定期点検まで「安全が確保できるか」という視点で判断する必要があり、専門的な知識・技術が求められます。

精密点検

実施ペース:適宜

遊具点検に関するプロが専用のチェッカーなどを用いて行う精密な点検です。
日常点検や定期点検で見つかった異常をより詳しく調べるために行われ、点検の結果をもとに、リニューアルや撤去などの判断・対策をサポートします。

遊具を点検する方法

定期点検自体は施設管理者の方でも行えます。
しかし実際の遊具点検には専門的な知識・技術を要するため、安全面を考えると専門業者へ依頼するのがベターです。

たとえば見た目では異常のない遊具も、雨風や害虫により内部が腐食、空洞化しているリスクがあります。
これらを見つけることや程度判断は遊具の詳しい知識がないと困難です。

また保育や学校現場では職員の方のオーバーワークが叫ばれているなか、さらなる負担になりかねません。

その点、専門業者であれば基準に満たない遊具を的確に判断し、必要に応じて修理や撤去の提案・実施も可能です。
また点検結果・対策の一元管理にもつながります。

点検するうえでの注意すべきポイント

続いては遊具を点検するうえで、注意すべきポイント3つをご紹介します。

  • 見た目だけでは判断できない危険があることを知っておく
  • 正しい知識を持ったうえで点検しなければならない
  • 必要に応じて遊具の撤去や修繕を行う

各ポイントについて詳しくご説明します。

見た目だけでは判断できないリスクがあることを知っておく

遊具は基本的に子どもたちの使用に耐えうるよう頑丈につくられていますが、見た目はきれいでも、経年による劣化はどうしても避けられません。

たとえば一見頑丈そうなコンクリート遊具も、実際に遊ぶ子どもや保護者の視点に立つと突起や亀裂があるなど、危険なケースが多々あります。
また古い遊具は設置から20年以上放置されているものもあり、丈夫そうに見えても雨風による内部の浸食リスクが考えられます。

このような遊具の点検を見た目だけで行ってしまうと、重大な事故につながりかねません。
日常点検を含めて、目視だけのチェックにならないよう注意しましょう。

正しい知識を持ったうえで点検しなければならない

遊具の安全性を点検するには、遊具に対する正しい知識をもって点検する必要があります。
点検結果においては細部の構造や排水不良による腐食・金属部分の摩耗などのほかに、設置場所の環境や気象などといった条件も含めて、総合的に判断する必要があります。

これらの詳細をよく知らないまま点検すると、本来の目的であるリスク回避にならない恐れも。
また遊具だけに限らず、最近では休憩スペースとなる屋根のついた”あずまや”やベンチなどが倒壊し、利用者がケガをする事故も全国で起こっています。

「義務化されたから、とりあえず言われた項目だけ…」といったかたちだけの点検は避けたいものです。
正しい知識をもって点検し、遊具による事故を未然に防ぎましょう。

必要に応じて遊具の撤去や修繕を行う

点検の結果によっては、基準に満たない遊具の使用を禁止したり、撤去または基準を満たすよう修繕したりする必要があります。

古くから設置されているサッカーのゴールポストやバスケットのかごなど、なかには地面と固定するための基礎がなく、強風や子どもがぶつかったはずみで簡単に倒れてしまうものがあります。
また人気のブランコやシーソーは木でできているものもあり、雨風や害虫による腐食が進むと、撤去せざるを得ないことも。

撤去の基準や修繕の方法がわからないままだと「とりあえず使用禁止にしておこう」と、施設内の遊具が減ってしまうという事態にもつながりかねません。
判断がつかないばかりに子どもの遊べる場所がなくなってしまうのは悲しいですよね。

遊具の撤去や修繕については遊具のメーカーや専門業者など、プロフェッショナルに意見を聞いてみることをおすすめします。
正しい判断・対策ができれば、既存の設備を活かしたまま空間をリニューアルできる可能性も。
新たに子どもやファミリー層の集まれる施設にすることで、施設周辺や地域の活性化も期待できるでしょう。

まとめ

遊具の点検が義務化されて数年経過した今でも、遊具による痛ましい事故は絶えていません。
未然に防げる事故であればできるだけ予防したいもの。

しかし安全のために行った点検で、専門知識がないばかりに子どもたちの遊び場が減ってしまうのでは本末転倒です。

遊具は子どもたちがのびのびと体を動かし、体幹やさまざまな感性を養うためにも欠かせません。
子どもたちの安全な遊び場であるためにも、正しい知識を持って遊具の定期的な点検を行いましょう。

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